故人になる予定の人と出会う

葬儀業に携わっていると、一般の人なら考えられない状況に出くわすことも珍しくありません。例えば、将来の葬儀について相談を持ち掛けられた場合、必然的に「将来の」故人と直接お目にかかることもあります。そういう人は大抵高齢者か大病を患っている人ですが、中には非常に元気な方もいます。筆者が相談に乗ったケースの中にも、そのような方々は沢山いらっしゃいました。高橋さんもその一人で、ご自宅に伺うと、元気そうに笑顔を振りまいていました。ただ近親者はそうでもなく、非常に疲れた表情だったのが印象的でした。主治医からそう長くないと告げられ、故人と共に自宅で過ごしていたようで、不安を抱えながら私に何度も質問してきました。近い将来に弔われる人を交えて葬儀のあれこれをお話しするのは大変な仕事です。出来る限り高橋さんの機嫌を損ねないように私も努力しました。高橋さんの対応は非常に丁寧で、私も葬儀業者として出来る限りのことをしてあげたいと思うようになりました。言うまでもありませんが、一般的なショッピングの店員とは違い、葬儀業者と客とはまとまった日数の付き合いになります。お通夜に始まり、告別式、初七日の精進落としに至るまで、人によっては長いと感じる交わりになるのです。だからこそ、葬儀業者は誠意を込めてお客様のために働きます。心のこもった葬儀は我々にとって当たり前の仕事なのです。さて、高橋さんの例は特殊な例ではなく、皆さんも葬儀を事前に計画した方が無難です。中には縁起が悪いと感じる人もいらっしゃるでしょうが、亡くなってからでは遅すぎます。特に先が長くないと思われる近親者がいる方は、今から覚悟して準備に取り掛かりましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です